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在宅医療のご案内 新しい在宅医療の風

新しい在宅医療の風

在宅の新しい風2 No8
希望あふれる在宅医療をめざして

Yさん 93歳 女性、直腸がん。肺に転移を認める進行がんの状態で発見されました。
1998年10月に直腸の手術をされ、手術後に肺の転移した部分に対して放射線治療を受けられました。

その後、歩行困難ということで、1999年1月より、当院にて訪問診療を開始しています。
Yさんは、訪問診療開始当初、「生きていたって仕方がない。」「もう死んで楽になりたい。」と言っていました。

そこで、「トータルライル医療の4つのステップ」にそって、まず、痛みのコントロールと、繰り返す尿路感染や感染性膣炎などの改善に努めることにより苦痛の緩和を図りました。
そして、同時に、一生懸命傾聴に努めて、Yさんの歩まれた人生の物語一つひとつを受けとめて、肯定してゆきました。
そうするうちに、不安の気持ちが除去され、全身状態が安定してきました。
心身が安定すると、次にはYさんの心に感謝の気持ちが芽生え、「ありがたい。」という言葉を、私たち医療者や介護者、そしてご家族に度々語られるようになりました。

その後、Yさんは、準寝たきりで思うにままならない身体状況に対しての受容も進み、100歳まで生きることを目標に、家族との出会いに感謝しながら毎日の生活を送っています。
9年の月日がたちますが、全く再発の徴候は見られません。

(在宅医療部長 長屋直樹)

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