長屋在宅医療部長が、文京区医師会の 学術集会で発表しました!
平成23年2月19日(土)、「第9回文京区医師会学術集会」(文京区医師会主催、於文京区医師会館)が開催され、当院の在宅医療部長、長屋直樹先生が「当院におけるHIV脳症の在宅ターミナルケアの一例」という演題で発表しました。
当院では、「心とからだが癒され全機に向かい、絆と希望が甦る安定した在宅医療」をめざし、治療が必要にも関わらず、何らかの理由で病院への通院が困難になった患者様や、自宅での療養を望まれる患者様に対して、在宅における医療的なサポートとケアを提供しています。往診地域は、台東区、墨田区、文京区を中心に、千代田区や北区など広範囲にわたり、様々な病状を抱えた患者様のご自宅に当院の医師が訪問し、診療を行っております。
学術集会当日は、HIV脳症に罹患した患者様を、専門医・訪問看護師・ご家族など関わる方々との連携を深めながら在宅診療を行い、ご本人とご家族が望まれるような終末期医療を行うことができた一症例について発表しました。
近年、日本でもHIV罹患患者数は増加傾向にあります。また、治療法が確立されて以降は、長期生存が可能となり、今後、高齢者のHIV感染者の在宅症例は、増加傾向をたどるであろうと予測されています。当院でも、初めて在宅におけるHIV脳症のターミナルケアを経験しました。施行錯誤ではありましたが、感染事故を起こさぬよう、専門医のサポートを受けながら、ケアマネージャーの尽力によりショートステイ受け入れ可能な施設を探したり、訪問看護ステーションとの密接な連携・協力体制をとるなど在宅ケアをしてゆきました。その結果、ご本人とご家族が望まれるようにご自宅で終末期を過ごすことができ、ご家族に看取られながらの最期を向かえることができました。最後に、今回の体験を通して感じた課題についても触れ、更なる在宅医療の充実へと言葉を結びました。
今後も、様々な症例や療養状況など、個々の要請に最大限お応えできますように、各担当者との連携を深めながら在宅診療に従事してまいりたいと、改めて感じました。