アジア心身医学会にて長屋ドクターが発表
2004年10月23日から24日にかけて沖縄(那覇市内)で開催された、The 11th Congress of the Asian College of Psychosomatic Medicine(第11回アジア心身医学会)に、当院在宅部長の長屋医師が参加しました。台風と台風の合間をぬっての開催となりましたが、幸いにも天候に恵まれ、晴れ渡る青空と快適な気候のもとでの学会参加となりました。
会場となったメルパルク沖縄では、日本や中国、韓国を始めとするアジアの国々から、大学の臨床心理学の教授を始めとして、常日頃心療内科の第一線で活躍されている方々が参加され、心身医学分野における最新の研究が発表されました。その中で長屋医師は、「The Practice of Home Care Medicine with The Focus on The Meaning of Death, Old Age and Illness(死、老い、病の意味を大切にした在宅医療の実践)」という演題でポスターセッション(英語版)を行いました。
在宅医療の現場で、常日頃多くの患者さんに慕われている長屋医師――。その日々の診療のコンセプトは、高橋佳子氏が提唱されるTL(トータルライフ)人間学に基づいています。「人生に無意味はない。死、老い、病にも意味が有る。在宅医がそのことを理解していれば、患者さんの病態が好転するだけでなく、患者さんとそのご家族が身体的、精神的に安定される」との症例に基づいた長屋医師の英語での発表に、会場からの質疑応答も活発になされていました。
在宅医療の現場では、先端の医療をもってしてもどうにもできない、患者さんが抱える社会的精神的に複合した事態に大きなストレスを感じ、希望を失ってゆく医療者も少なくありません。私たちをとりまく環境は、激しく変化し続けています。その中で超高齢社会を迎えるこれからの日本には、患者さんの身体だけではなく、心も元気になってもらえる医療が必要とされます。そしてそれはまず、現場で働く医療者自身が希望を胸に抱き続けることから始まると思います。長屋医師の発表は、患者さんだけではなく、多くの在宅医療従事者の希望となる内容でした。
TL人間学に基づいた医療が、一日も早く、より多くの医療機関と医療従事者によって実践されることが、切に望まれていると感じます。