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第17回トータルライフ医療学術集会で、 穴水副院長、岡看護師が発表しました

[2008.12.25]

2008年11月23日、「病からの呼びかけを聴く―人間の力を解放する新しい医療への挑戦―」をテーマに、第17回トータルライフ医療学術集会が東京医科歯科大学5号館4階講堂で開催されました。

今年は、15題の一般演題およびシンポジウムと、虎ノ門病院泌尿器科部長 小松秀樹氏による「医療崩壊」をテーマとした特別講演が行われ、150人以上の参加者で会場はいっぱいになりました。当院からも、副院長の穴水聡一郎先生と岡登美子看護師の二人が発表しました。

穴水副院長は、シンポジウム「病からの呼びかけを聴く―新しい医療への挑戦」において、シンポジストの一人として登壇し、「対話の医療」について発表しました。対話の目的は、患者さんが「病は呼びかけ」と受けとめ、病を「人生のプラスの転換点」とすることに同伴することであり、その心構えとして、「医療者である前に一人の人間」「私が変わります」「自己理解が他者理解」の3点がポイントであるとのことでした。そして、対話診療が有効であった事例が紹介されましたが、発表の中で、「言葉の力は、ときに薬草やメス以上」と言われていたのがとても印象に残りました。


岡看護師は、セッションⅢ「『私が変わります』が開く癒しの看護」において、「TL人間学に基づく『他者評価を受けるミーティング』によって看護部の人間関係が改善した経験を通して」という演題を発表しました。「他者評価を受けるミーティング」とは、互いの人間的成長を第一の目的とし、畏敬をベースとして、対象となる看護師の未熟な発言や行為、改善すべき点を他者評価してお伝えするミーティングで、仕事が終わってからの10分間を使って行われたとのことでした。岡看護師がより協働できる人間関係をつくってゆくためにこのミーティングを実施した結果、協働できなかった出来事の原因である想いと行いが明確になり、自己変革の手がかりとなったこと、看護師間の相互理解が深まり、癒しの看護を実践するという願いに向かって協働できるようになったことなどが分かち合われました。お互いに深く信頼関係が結ばれているからこそこのようなミーティングが可能なのであり、TL人間学のもつ人間理解を深める力を再確認しました。


学術集会全体を通して、発表されたお一人おひとりが、目の前に横たわる困難な課題を、「これは私への呼びかけ」と引き受けられ、医療者自身「私が変わります」によって、患者さんや医療現場が目を見張るような改善に導かれていました。「人間の力を解放する新しい医療」の流れが確かに始まっていることを実感できるトータルライフ医療学術集会でした。

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