藤先生が、 第11回日本抗加齢医学会総会で 演題発表しました
2011年5月27日(金)~29日(日)、第11回日本抗加齢医学会総会が国立京都国際会館(京都市)で開催され、2日目、藤純一郎先生が、「糖尿病患者に対する夜間糖質制限食導入の経験」というテーマで発表しました。
夜間糖質制限食(以下NCR)とは、前回のトピックスでも紹介しましたように、高雄病院江部康二理事長らが提唱している食事療法で、夜間のある一定時間の間(例えば、夜7時~朝7時)は、糖質を摂らないという食事療法です。
2010年7月から2011年1月までに当院外来でNCRを導入した糖尿病患者さんのうち、導入前にHbA1c6.5%以上とコントロール不良であった症例全例について、導入前と導入後約1か月の再診時に計測したHbA1cを比較検討し、優位差の検定を行ったところ、NCR導入により10例中8例でHbA1cの低下を認めたとのことでした。
藤先生は、今回の取り組みから、夜間のみの糖質制限で、約1ヶ月程度の短期間で有意なHbA1c値の低下を認め、NCRは多くの患者さんに実施可能で、非常に有効な食事療法であると考えられたこと、そして、その後の観察でも、10例中8例においてHbA1c値の改善は継続しており、NCRはHbA1c値の持続的かつ著明な改善をもたらす食事療法であることが示唆されたことを述べました。
糖尿病のコントロールにおいて食事療法は切実な問題ですが、糖質制限食の効果の実感とともに、今後に向けて、さらなる取り組み意欲と期待を感じた発表でした。