「第20回トータルライフ医療学術集会」で、 馬渕院長、長屋先生、藤先生、 大脇看護師、岡看護師が発表しました
平成23年11月27日(日)、今年で20年目という節目を迎えた「第20回トータルライフ医療学術集会」が、東京医科歯科大学5号館(東京文京区)にて開催されました。(主催:トータルライフ医療研究会)
今回のテーマは、「新しい医療への挑戦―内なるエネルギーを解放する」で、演題発表、ポスターセッション、シンポジウムなど、密度の濃いプログラムが展開され、多くの医療者から、現場での医療実践が分かち合われました。
その中で、当クリニックのスタッフも発表しました。
馬渕院長は、シンポジウムにおいて、初代のトータルライフ医療研究会代表として会を立ち上げた時から現在までの歩みを話しました。20年前、馬渕院長を含む3人の医師から始めた会が、今では全国の医師・看護師・コメディカルへと広がり、「小さくても本物の医療を実践したい」と、志と友情が繋がれてきた20年の重みを実感しました。
長屋直樹在宅医療部長は、「因縁果報とりわけ縁へのアプローチとしての分子栄養学的な手法が有効であった在宅症例」というテーマで発表しました。日々の在宅医療の現場で、分子整合栄養学的な視点を導入し、身体の状態がなかなか安定しなかった鉄不足の患者さんに鉄剤の点滴と、蛋白質摂取の食事指導を行った結果、状態が安定し、様々な身体的症状も改善した発表は、分子レベルでの栄養の大切さと、たとえ高齢になっても栄養を整えることで、より元気になれることの希望を感じました。
そして、藤純一郎医師は、「魂存在として関わることで簡単な会話が可能となった認知症の1例」というテーマで発表。在宅の現場において、認知症のために全くコミュニケーションが不可能であった患者さんが、TL人間学に基づき「人間は魂存在である」と信じて関わることで、簡単な会話が可能となった事例は、関心が高く、会場からの質問が多くありました。
また、大脇千代美看護師長は、シンポジストの一人として登壇し、「癒しの看護」という点から、同研究会の看護分野の歩み、現在の看護界における問題点と解決法、具体的な事例の紹介、「私たちが目指す癒しの看護」についてお話ししました。とりわけ、看護界における問題点については、誰もが医療現場で実感する痛みであり、そこを超えて、まず看護師自身が癒されること、そして、その心で看護してゆくことの大切さを感じました。
岡登美子看護師は、「『因縁果報ウィズダム』の取り組みによって、線維筋痛症で全身痛が強い患者さんの症状改善に功を奏した症例」とのテーマで発表。患者さんとの関わりにおける自らの想いを点検し、その想いが作りだしている場の空気をみとり、転換したとき、症状の改善だけでなく、患者さんとの絆が深く結ばれていったことが大きいと語られ、一人の看護師が変わることの大きさと看護のはたらきの可能性を実感しました。
学術集会を通して、日々の誠実な実践が本当に大切であり、患者さんに少しでもより質の高い医療が提供できるようにもっと心と技を研きたいとの気持ちを新たにしました。これより、また努めてゆきたいと思います。