長屋副院長が 「第11回文京区医師会学術集会」で発表しました
平成25年2月23日(土)、「第11回文京区医師会学術集会」が文京区医師会館において開催され、当院の長屋直樹副院長が「分子栄養学的観点から見た鉄欠乏患者へのアプローチ」という演題で発表しました。
最初に、分子(整合)栄養学とは、人体の状態を分子レベルで分析、理解して不足している栄養素を至適量補給することにより細胞の活動性を回復し、全体として自然治癒力の強化をもたらし、健康の回復や病の予防を図るという栄養学的なアプローチであるとその意義を述べられました。
そして今回は鉄欠乏症による患者さんへのアプローチを試み、まず鉄の不足が原因で起こる不調の例として立ちくらみ、めまい、耳なり・・・等々たくさんの例を出されました。
その鉄欠乏の判断は貯蔵鉄の指標となるフェリチンの値にあると言われ、最初の事例として、月経前症候群に悩む30代~40代の女性に対し血液検査により栄養障害について評価し鉄を補充したところ、フェリチン値が上がるとともに月経前の痛みの度合いが大きく下がるという改善が見られたとのことです。
また、もう一つの事例として在宅療養中の98歳男性の慢性呼吸不全患者さんの鉄欠乏症を評価し、鉄の補充によるフェリチン値の改善により繰り返す肺炎、呼吸苦、腹痛から状態が安定し、呼吸苦、腹痛も消失し、「このまま元気に100歳までは絶対に頑張る」という意欲まで引き出すことができたとのお話でした。
発表後は会場よりたくさんの質問があり、特に貯蔵鉄の指標としてのフェリチンの値に注目した今回の発表に関する関心の高さが伺われました。それらに対し長屋副院長の回答にさらに会場内の理解が深まった様でした。